1週間後。


私は自分の気持ちを隠して、うまくやっている……と、思う。

自覚する前と何も変わらない……ただ、万里くんの隣にいると、ぎゅーっと胸が痛むだけ。
恋愛感情って……どうやったら消すことができるんだろうなぁ……。

まさか自分が恋をする日が来るだなんて思いもしなかったから、わからないや……。



「席替えするぞー」



授業の前に、月に一度の席替えが始まった。

喜んでいる生徒が大半だけど、隣の席の日奈子ちゃんは涙目になっている。



「やだ……! 桜ちゃんと離れたくない……!!」



せっかく隣になれたのに……と、私も肩を落とした。



「ふふっ、休み時間になったら、日奈子ちゃんの席まで行くね」

「う……私も行くっ……」



ぎゅっと抱きついてきた日奈子ちゃんを、よしよしと撫でた。

荷物をまとめて、新しい自分の席に移動する。

教室のど真ん中だ……日奈子ちゃんの席は後ろのほうかぁ……。

座って、教科書を片付けているときだった。