私も怖じ気づかず、その視線に向き合った。



「君の言うとおり、再婚の話をしようと思って伺わせてもらったんだ」



やっぱり、そうだったんだ。

お母さんが言えないと判断したとき、口裏を合わせてくれた悠里さんは優しい人なんだろうなと改めて思う。



「お母さん……椿さんのこと、僕は本当に大切に思っています。誰よりも幸せにすると誓うから、どうか僕たちの家族になってくれないだろうか?」



深く頭を下げた悠里さんに、私はごくりと息を呑んだ。

男性恐怖症だなんて、いつまでも言ってちゃダメ、だよね……。いつかは克服しなきゃいけないんだ。



「はい。母をよろしくお願いします」



私はそう返事をして、頭を下げた。



「桜ぁっ……」



再び抱きついてくるお母さんに、また笑う。



「ふふっ、もうお母さんってば」