万里くんと……登下校するようになってから。厳密には、付き合っているという嘘の宣言をした日から。

そんなにひどいものではないし、こういうのは慣れっこだから平気だけど……。



「今日も一緒に登校してたらしいよ」

「うそ~。プリンスが汚れるからやめてほしい~」

「あいつ、佐伯の弱み握って脅してるらしいぞ?」

「え、だからあの2人付き合ってんの? やば――」



また何か言われてる……。

私を見ながらこそこそと話している声が、耳に入った。

脅してる……か。やっぱり、端から見ても私なんかが万里くんといるのはおかしいよね……。

そのくらいの理由があったほうが、納得できるのかもしれない……。

本当はただ親同士が再婚しただけで、付き合っているなんて真っ赤な嘘なんだけど……。