優しくて、頼りになって、私も万里くんには、随分と甘えてしまっている。

男の人なのに、どうして万里くんだけは……怖くないんだろう。それどころか、万里くんのそばは驚くほど居心地がいい。

隣にいるだけで、安心感を覚えるだなんて……私、どうしちゃったんだろう……。

自分でも、この気持ちの名前がわからずにいた。



「じゃあ、また放課後」

「うん。バイバイ」



学校に着いて、万里くんと別れる。

クラスが離れているから、一緒に歩くのはここまでだ。

教室に入ると、前から女の子たちが歩いてきた。避けたはずなのに、ドンッと強くぶつかってくる女の子たち。



「ちょっと、痛いんだけど?」

「ご、ごめんなさいっ……」

「前見て歩いてよねー」



きゃははと楽しそうに笑う女の子たちに、私は視線を下げた。

最近、こういうことがたまにある。