「万里くん、起きてっ……!」
声をかけると、万里くんが「ん……」と身をよじった。
「学校行こうっ……」
「……んー……わかった……」
ほら、すぐに起きてくれた。
重たそうに身体を起こす万里くんに、「玄関で待ってるね」と言って部屋を出た。
万里くんは支度が早いから、いつも起こして5分後くらいにはきっちりと制服を着て準備万端になっている。
カバンを持って玄関で待っていると、同じく今から学校に行く様子の三男さんと長男さんが来た。
「おはよ地味ちゃん~、今日も地味だね~」
地味ちゃんと呼ばれることにも、容姿について言われるのももう慣れた。
「せめてスカートはもうちょっと短くしたほうがいいんじゃない?」
やっぱり男の人だし、まだ2人に対しての恐怖心は拭えないけど……。
「……おい、うるさい」