なんでこんなヤツらと兄弟なんだろう……。同じ血が流れているという事実が恥ずかしい。

頭を抱えたとき、玄関が開く音がした。

父親と桜のお母さんの声がして、席を立つ。



「……とにかく、桜のこといじめたら本気で怒るから」



それだけ言って、俺は自分の部屋に戻った。

ベッドに寝転びながら、ぼうっと天井を眺める。

あいつらはずっとあんな調子だし、とにかく桜とあの2人だけにはさせないようにしないと。今は父親も桜のお母さんもいるし、平気だろう。

桜には笑っていてほしいから、俺が守らなきゃ。

そんなことを考えながら、どのくらいの間ぼーっとしていただろうか。

コンコンコン、とノックをする音が聞こえて、ハッと我に返った。

誰だ……? 海里か?



「万里くん……入っても、いいかな?」



……っ、桜?



「うん、いいよ」