イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

キッチンには、エプロンをつけた桜が立っていた。

……可愛い。



「あっ、万里くん」



見ていた俺に気づいたのか、パアッと表情を明るくさせた桜。

その姿に、胸がぎゅっと締め付けられた。

好きすぎる……。



「何か手伝うことある?」

「ありがとう。でも大丈夫! もうすぐできるよ」

「そっか……すごくいい匂いする」



覗き込むようにキッチンの中を見ると、もうハンバーグを焼いているところだった。
……うまそう。



「味見する?」



……え?



「する」



即答すると、桜がふふっと愛らしく笑った。

だって……桜が作ったものだから、一番先に食べたい。

桜は、フライパンにのっている小さなハンバーグを、半分に切った。そして、それをフォークに刺しふーっと少し冷まして、俺の口の前に差し出してくる。



「はい」

「……っ、え?」



……ちょっと待って。