イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

続くようにそう言った海里に、頭の中でブチッという音が鳴った。プレイヤーを穴に落とし、わざとゲームオーバーにする。



「あー!! ちょっと万にぃ、今の凡ミスなに!?」

「……やめた」



俺はコントローラーを置いて立ち上がる。



「桜のこと悪く言うな。見た目でしか決めつけられないお前たちのほうがブサイクだから」


どいつもこいつも……本当にムカつく。

桜のどこがブスなんだ。あんなに可愛い生き物、他にいないのに。

そろいもそろって、目がおかしいんじゃないかと思う。



「万にぃが怒るなんて、めっずらし」

「地味ちゃん、万里を手懐けるなんて猛者だな」



2人が何か言っているのが聞こえたけど、気にせず自分の部屋へ向かった。


宿題を終わらせてから、またリビングに戻る。

キッチンのほうからいい匂いがして、俺は誘われるように足を向ける。