イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

「ごめんも禁止」

「ええっ……何も言えなくなっちゃうよ」



困ったようにあたふたしている姿に、俺の心臓はうるさいくらいに高鳴っていた。

可愛い……。

そばにいるだけで、癒やされる。



「これからも、買い物行くときは俺に言って。荷物持ちくらいするから」

「そんな、万里くんに荷物持ちさせるなんて……」

「俺、家事とか何もできないし、してもらいっぱなしだから、このくらい手伝わないと罪悪感で死ぬ」

「し、死んじゃダメっ……」



悲しそうな表情に、ふっと笑みがこぼれた。

冗談を本気で受け止めるところも、可愛い。



「うん。だから俺に頼って」



こくりと頷いた桜に、笑顔を返した。


帰宅すると、すでに海里と千里が帰ってきていた。



「万にぃ、ゲーム攻略手伝って!」



リビングに入るなり、ゲーム機を持って駆け寄ってくるうるさい弟。