イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

俺が好きならそうすると言われたみたいで、嬉しかった。



「……うん」



ダメだ……。

桜といたら、口元が緩んで仕方ない。


買い物を終えて、店を出る。



「貸して」



桜から買い物袋を奪って、2つ持った。



「えっ……へ、平気だよ」

「大丈夫だから。このくらいさせて」

「重たくない?」

「全然」



自分でも細身で力がなさそうに見えるのは自覚してるけど、一応筋トレとかしてるし、運動も好きだ。

こんな袋、1個も2個も変わらない。



「ありがとう、万里くん」



桜は事あるごとに、ありがとう、と口にする。

律儀というか……もちろんそういうところも好きだけど、俺に対してはいらない。

だって、俺がしたくてしてるんだ。



「お礼言うの禁止って言った」



そう言うと、桜はハッとした表情になった。



「あっ……ご、ごめんなさい」