俺を怒らせるには充分すぎる発言に、ゲラゲラと笑っている3人の男に視線を向ける。



「お前たちって、人の容姿貶せるくらい整った顔してるの?」



俺がそう言うと、3人はピタリと笑うのを止めて、無言になる。

周りには結構な人がいて、みんな「なんの騒ぎだ」と俺たちのほうを見ていた。

ギャラリーなんて気にせず、思ったことを口にする。



「頭がいいその子のほうが、よっぽど人として優れてると思うけど? 人のことバカにしてる暇あったら勉強でもしたら?」



こいつらの成績がどんなものかは知らないが、俺と彼女がツートップな以上、俺たちよりは下だ。

負け惜しみか何か知らないけど、ただただ不快だった。

俺の前で、彼女のことを悪く言うのは許さない。



「……っ……ご、ごめん……」



顔を真っ赤にしながらそう言って、3人は逃げるように去っていった。