イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

この世界に、まだこんな純粋なものが残っていたのかと思うほど、汚れのない人だと思った。


中間テストの結果が張り出され、一番上に自分がいた。

そして、俺の下に書いてあった名前に、驚いて見入ってしまった。

あっ……あの子の名前。

佐伯万里の下に、桃井桜の文字。

並んで名前が書いてある。それだけなのに、とてつもない満足感が込み上げた。

次のテストも、頑張ろ……。

いつもとくにテスト勉強はしないけど、次は頑張ろうと思った。いい点数を取ったら、彼女の目に俺の名前が留まるかもしれない。

せめて、向こうも俺の名前を知ってくれていたら嬉しい。



「桃井桜ってほんと、典型的な優等生だよな」



隣から、バカにしたような声が聞こえた。



「それ見た目のこと言ってんの?」

「あれはないわ。あんなに華がない女も珍しいよな~」