イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

名は体を表すとはよく言ったものだ。

彼女に……ぴったりな名前。



「そうそう、Bクラスの。つーか同い年だぞ」



同い年? Bって……校舎違うじゃん。

だからわからなかったのか……でも、名前を知られた。一歩近づけたような気がして、嬉しくなった。

……ん?

なんで嬉しくなるんだ……?

ていうか、俺はあの子に、近づきたいのか……?



「あ! 俺も知ってる! 超真面目スタイルの女子だろ!」



1人がそんなことを言ったのをきっかけに、1年が騒ぎ出した。



「漫画に出てくる地味子かよ、って見た目してるよな」

「顔見えねーもんな」



好き勝手話し出すヤツらに、苛立った。それが、あからさまに悪意のある言い方ばかりだったから。



「どうしたの、佐伯? ブスすぎて気になったとか?」



ニヤニヤしながら、そんな言葉を投げてきたのは、俺を助っ人に誘ってきたヤツ。