イケメン同級生は、地味子ちゃんを独占したい。

「いや~! 今日の完全勝利は佐伯と椎名先輩のおかげだな~!」



試合が終わって、控え室で着替える。

俺を誘ってきた同い年で1年の友達が、ドヤ顔でそんな言葉を吐いていた。



「レギュラーならもっと頑張れば?」



自画自賛かもしれないけど、ほんとに今回の試合、俺と椎名先輩しか点入れてなかったし。

ちなみに、椎名先輩というのは一個上の先輩。一番仲がいい先輩で、いつも助っ人に駆り出されているらしい。



「おまっ……天才には凡人の気持ちなんかわかんねーよ!!」



泣き真似をする友人に面倒くさくてため息を吐いたとき、ちょうど後ろで着替えていた椎名先輩が笑いながら話に入ってきた。



「まあまあ、勝ててよかったね」

「……甘やかしたらダメだと思いますけど」

「万里は、なんでもできすぎるんだよ」

「……先輩に言われたくないです」