「一緒にいるのが嫌じゃないなら、朝、先に学校行くのも禁止」



……え?



「行き先一緒なんだし……一緒に行こ」



少し照れくさそうに、たどたどしい口調でそう言った万里くん。

どうやら私が先に家を出ていることが気になっていたらしく、その事実に驚いた。

なんとも思われてないと思ってたのに……。



「うんっ」



嬉しくて、すぐに返事をした。

もう万里くんと無関係だと隠すのも無理だろうし、朝1人で行く必要もない。

これからは万里くんと登校できるんだと思うと、楽しみな自分がいた。



「俺、朝弱いし二度寝するから、遅刻ギリギリになるだろうけど、許して」

「えっ、いつも遅刻ギリギリなの……?」

「うん。朝ごはん食べてから二度寝して起きたら、いっつも桜いないから、へこんでた」



へこんでたってっ……。

可愛い表現に、また笑ってしまった。