星が輝きだした冬の空に数発の花火が放たれた時、年に一度の式典が幕を上げた。



-日本映画大賞受賞会-


鮮やかなレッドカーペット、無数に並ぶカメラ、眩いばかりのスポットライト、その中を颯爽と歩く俳優、女優、著名人や関係者達

そしてそれを称えるように歓声をあげる観衆達



そんな観衆の中にケンタは混ざり立っていた

今日はシュウが3作目の監督を務めた作品の受賞が決まっていた。

監督3作目の受賞は異例のスピードとして、今回の受賞会でも大きな話題として取り上げられていた。

なんでもこの作品がヨーロッパでも正式に出展が決まったらしい、
シュウはまさに映画会の星として輝き出していた。


それに比べて弟のオレは…


そう考えると苦笑いが出て、より一層今日の「決意」を強めるものとなった。