梅雨が明け、もう夏がやってくる。

3年生はこれからは受験という名の試練に立ち向かう。


そういえば、玲司はどうするんだろう。

わたし、なにも聞いてないや。


「生徒会長とはいい感じ?」

「ううん。どうだろう。少しはわたしに心開いてくれたのかな」


部活引退をしてから、動物園デートのあとも少しだけど、先輩はデートにいってくれるようになった。


「よかったね」

「うん。ねえ、美玲はどう思う?」

「どう思うって?」

「玲司の1番の人、きくのだめなのかな」


実は気になってるんだよね。

それがパンドラの箱だということもわかってるんだけど。

少しでも玲司の抱えているものが和らぐなら聞いてあげたいなって。