「とにかく莉亜の言ってたことは、噂の藤本翔輝では到底考えられないの」
「ふ〜ん」
「なんであんたは興味無さげなんだか…。
もしかしたら莉亜にひとめぼれしたのかもね」
「そ、そんなわけないよ!」
だって噂通りなら女嫌いらしいし、第一私みたいな平々凡々な女子にひとめぼれなんてするわけない。
「まあ、莉亜は自分の魅力に無自覚だからね。私は藤本翔輝があんたにひとめぼれしたなら納得がいくかも」
そんなわけない。私はばったり会っただけだし、あの時は薄暗くて街灯に照らされた顔しか見えなかった。
きっときまぐれだったんだろう。