次の日、紫愛に昨日出会った藤本君の話をした。



「えええええっ!」


「ちょ、紫愛、声大きいよ!」


「ごめんごめんっ」


紫愛がこんな大声出すなんてめずらしい。


「どうしたの?」

「莉亜、その人めちゃくちゃ有名な人だよ」

「え?そうなの?」

「てか、知らないの?入学式の日からみんな藤本翔輝の噂ばっかしてたよ」

「そうだっけ」

「特に女子がね」


ああ、そういうことか。そりゃあんだけイケメンなら噂にもなるよね。


「あの人は今年こっちに引っ越してきたんだけど、前の中学校でトップの成績だったんだって。運動もできるらしいよ」

「なにそれ完璧じゃん」


これだと相当モテるんだろうなあ。


「なに他人事みたいな顔してんの?」

「へ?」

「莉亜。あんたすごいことになってんだよ」


???


何が?


「あの人は女嫌いでめったに女子と話さないんだから」


え?


昨日は普通に話せてたけど。


「そんなのただの噂だって〜。昨日はニッコリ笑ってたし、小さい女の子にも優しかったよ」


「でも、私見たのよ。藤本翔輝が告白されてるとこ。無理だってバッサリ振ってたし」


え!?ドライさよりも早速告白されてることが驚きだよ!まだ入学して3日しか経ってないのに。