彼の暴言にはヤンデレが隠されている。



なんだこの天使、

とか思いながらゆーゆの話に「うんうん」と頷いていると、


ゆーゆはずっとニコニコで楽しそうに話してたのに、

急に「ハッ」という絵文字みたいな表情になって、


「私!もうねぇ、坂下くんのこと全然好きじゃないよ!だから音ちゃん気まずく思ったりしないでね!」


「あとあと、私ばっかり話しててごめんねぇ」


と必死に申し訳なさそうに謝ってくるから、


それが微笑ましくて私は思わず笑ってしまって、


「ゆーゆ良い人すぎるし、本当女子から見ても可愛いね。」


「私自分から話すほうじゃないし、人の話聞くの好きなんだ。もっと聞かせて?」


と言うと、ゆーゆはまた目をキラキラと輝かせて、

「あのねぇ!私話したいことたくさんあってねぇ!」


と、楽しい話をたくさんしてくれた。


何だか、ゆーゆとは仲良くなれそうだなってすっごく思ったんだ。




そんな楽しい昼休みも過ぎ、


授業も終えて、


放課後になった。


さっき片桐くんに、


『渡り廊下に来て』


と言われ、

彼は既に向かったので私も後を追おうと思う。

席を立ったときに、


「…一緒に帰んねぇ?」


と、美夜に話しかけられた。


あー、一緒に帰ることは出来るけど今からは無理だよなぁと思って、


「帰るのは出来るけど、今からは片桐くんと話があるんだよね」


そう言うと、

彼の表情は一気に曇って、


寂しそうな表情で、



「…戻ってくるか?」



そう聞かれて、



「そりゃ戻ってくるよー」



と言いながら、彼の横をすり抜けて私は渡り廊下に向かった。



…私には気づけなかった。



彼の「戻ってくるか?」は、


この教室に、じゃなくて。


自分のもとに、戻ってくるか?



そんな、切ない質問だったということに。