他愛もない話をして、
それでも確かに彼が私に対して優しくなっているのが分かる。
…というか、半端なく甘い。
冷たくあしらわれないのが逆に不思議で…、いや別にMとかじゃないよ?
そんなこんなで学校に着いた私たち2人を見て、
「坂下くんと佐々木さんが一緒に来てる…」
「あそこって付き合ってたっけ?」
とか、少し噂されているのが分かる。
周りの視線に少し耐えられなくて、
少し早足になると彼に右手をパシッと掴まれて、
「何、さっきから俺のこと見てくれないし、一緒にいんのやっぱり嫌?」
と不機嫌に言われて、
「違う!一緒にいるのは良いけど、ちょっと、視線を感じるというか…」
と答えると、「あっそ」と聞こえて、
…でもその声色は少し嬉しそうに聞こえて、何だ?と思って彼を見ると、
「『一緒にいるのは良い』んだ?」
…なんか、私の言ったことが嬉しかったらしい。
教室に入って、また男子を中心に『付き合ってんの?』とか質問されたりして、
私が少し困っていると、彼はもはや骨髄反射で
「俺が音葉のこと好きだから、同じ気持ちになってもらうために堕とさないといけない」
とかなんとかヤバめなことを話し出して、
周りの人たちも「…おやおや?」という雰囲気になってきたので、
「ちょ、ちょっと!美夜!何言ってんの!」
と大急ぎで止めると、彼も「ハッ」となって、
「…えっと、いやコイツと来るとかまじ虫唾が走るんだけど」
誤魔化すために何とか言葉を絞り出した彼に、
私と、そして周りの人達と心が1つになり、声が揃った。
『極端かよ』



