「……遥先輩こそ、
体育の時間に派手な女の先輩に、
べたべた触らせてたくせに」


「は?」


思わず呟くと
悪い顔で遥先輩が微笑む。

しまった!

私、今、余計なこと、言った!


「そっか、そっか。
凛花、あれ、見てたんだ。
で、ヤキモチ妬いちゃったんだ」


「ま、ま、ま、まさかっ。
体育の授業中なのに、
爽やかじゃないなーって思って、
見てただけ!」


「それじゃさ、ほら」


「え?」


遥先輩が私の手をとって、
ブレザーの中の自分の胸に

私の手をあてる。


「へ?」


薄いシャツ越しに、
遥先輩の心臓の音が伝わってきて

飛び跳ねた。


「わわっ!」


手を放そうとすると、

遥先輩がさらに強い力で
私の手をギュッと
自分の胸にあてる。


「な、な、なに⁈」