自分でも
どうしてこんな気持ちになるのか
よく分からないまま、

遥先輩と下駄箱に向かって歩いていると、

クラスメイトの鈴山くんとすれ違った。


「あ、白石さん。
さっきはありがとな、助かった」


バレー部のジャージを着た
鈴山くんが爽やかに笑う。


「もう大丈夫?」


「ばっちり」


「良かった。お大事に」


「また、明日な」


片手を上げて、
鈴山くんが体育館へと
消えていくと、

遥先輩があからさまに
不機嫌な顔つきを見せる。


ん、どうしたんだろ?