「ちょっ!」


「俺とふたりでいるときだけは、
メガネはずせよ」


「なにそれ、
いまの話と全然関係ないよ!」


「いいじゃん、俺だけ、特別感」


「なんか、変態っぽくてやだ」


「嫌がる凛花を無理やりっていうのも
なかなかいいだろ?」


黒い瞳を楽しそうに輝かせる遥先輩を
じろりと睨む。


「どうして、メガネ外すだけなのに
そんな言い方しかできないの?」


「退屈だし」


「お願いだから、暇つぶしに
私をおもちゃにしないでください……」


黒髪を揺らして
ニコニコと笑っている遥先輩に
がっくりと肩を落とした。