「ご、ごめん、ごめん!

そんな悩ませちゃうほど
深刻なことだとは思わなくって!」


「凛花、そこまで険しい顔しないで。
ちょっと人、殺してきた…
みたいな顔つきになってるから!」


「とりあえず、凛花、ちゃんと呼吸して。
形相がかなりヤバイから」


青ざめているふたりに
必死に現状を説明する。


「あ、あのっ、遥先輩とは
小さい頃からの知り合いだけど、
つきあってるとか、
そういうことではなくて!

事情があって一緒にいることが
多くなってしまっただけで!」


イスのうえに正座して、背筋を正して
できる限りの誠意をもってふたりに伝える。


「そっか、だ、大丈夫っ。
なんか、わかったから!」


「う、うん、理解した!」


怯えるように
ふたりが大きく頷く。


「そ、その、私と遥先輩、
やっぱり、付き合ってるように、
見えるの、かな?」


おそるおそる、ふたりに
たずねると。


「遥先輩って、超硬派で、
自分から女子に
関わったりしないんだって。

遥先輩に近づいていく
女の人はそりゃ多いらしいけど、
全く相手にされないって。

だから
凛花との関係に
すごく興味あるらしくて」


「遥先輩に聞いても、
深い関係って言うだけで

詳しいことは
答えてくれないらしいし」


んん?

超硬派って、だれのこと?


それに、深い関係……?


なによりも。