「ど、どうしたの?」


すると、ハッと表情を改めて

遥先輩がカラリと笑って
私を抱える両手に力を込める。


「うーん、走ったら、
アドレナリンが溢れ出して
急に凛花のこと、押し倒したくなった。

カレシなんだし、お触り自由だろ?」


「お触り、禁止! ダメ、絶対!」


両手で遥先輩を押しのけると

逃げるように
全力で走り出した。


急に真剣な顔をするから
なにかあったのかと
思ったけど。


気のせいか!


っていうか、いきなり
あんなことされると、

心臓の鼓動が
激しくなりすぎて

呼吸が乱れて
走れなくなっちゃうんだってば!


くっ。


恋愛超初心者の心拍数、
なめんなっ!