「でも、どうして
こんな朝早くに?」


とてもじゃないけど、
早朝のランニングが好きなようには
見えない。


『面倒くさっ』って、
無音のオーラが
遥先輩の全身から漂っている。


すると、
心底呆れた様子で
遥先輩が答える。


「凛花と一緒に
走りたかったからに決まってんだろ。
バカなの、お前?」


言い方!


もっとほかに言い方あるでしょうが!



「わ、わかったから、行こっ」



早朝から
どれだけ周りの目を惹きつければ
気が済むんだろうか……


遥先輩、おそるべし。


ぐいぐいと遥先輩の腕を引っ張り
河川敷へと急いだ。