ぐったりとベッドに座ると、
遥先輩がとなりに座って
にっこりと微笑む。


「凛花、キスしていい?」


「警察呼んでいい?」


《それ以上、わがまま言うと、
俺の唇でふさいじゃうよ?》


ドアの外から鈴之助のセリフが響く。


「……ふさいでいい?」


「絶対ダメ」


甘く瞳を潤ませている遥先輩を
全力で睨みつける。


「それならこれで、元気だせ♪」


その瞬間、
遥先輩が私のおでこに
唇をくっつけた。


「……へ?」


「これは、
約束守りますって誓いのキスな。

つうことで、
夜のジョギングはやめておけよ。

明日の朝、俺が一緒に
走ってやるから。

万が一、
俺に隠れてジョギング行ったら、

凛花が気絶するような激しいやつ、
くらわせるから。

それでもいいなら走りに行けば?」


……なんですと?


呆然としている私に

黒髪をサラサラと揺らし
極上の甘い笑顔を残して

遥先輩は帰っていった。


うううううっ……


今度はおでこに、
呪いのキスが……


もう嫌だ……