「凛花、超可愛いのにもったいない。表情柔らかくしたら、
もっと可愛くなるのに」


「私を褒めてくれるのなんて、鈴之助くらいだよ」


そのとき、トンと壁に手をついた鈴之助の顔が間近に迫る。


「じゃ、凛花の可愛い素顔は、俺だけに見せて」


煌きらめくアイドルスマイルを炸裂させて、
鈴之助がさらに顔を近づける。

「……新しいドラマのセリフ?」


「正解!」


「ドラマ、決まってよかったね」


「マジで、それ。学校の友達に自慢しといて!」


「残念ながら、鈴之助と従兄弟だってことは、
私的に超極秘事項として徹底的に隠し通してる。

もう国家機密レベルで隠してる」


「えーっ。もっと自慢すればいいのにーっ。
従兄弟が今をときめくアイドルグループの
リーダーなんですよーってみんなに言いふらせばいいのにー」


「言いふらしちゃったら、大変なことになっちゃうよ」


「大変なこと?」