「そ、そ、そ、それにしたって!」


「キスくらいで、
グズグズ言うなよ、バーカ。

じゃ、これからよろしくな。
凛花チャン」


ぷいっ。

視線を尖らせ、顔をそむける。


絶対にこんなひとと、
よろしく、なんてしない。


金輪際、2度と口もきかないっ。


すると、遥ちゃんが、
綺麗なお顔をグイッと近づけてくる。


「じゃ、
バラしちゃったら、ごめんね?

鈴之助のお姉ちゃんの
凛花ちゃん♪」


「くっ……」


悔しい。


それに、お姉ちゃんじゃなくて、
イトコだし!


でも……


「ほら、契約成立なら
あ、く、しゅ。

あ、それとも、
誓いのキスにしとく?」


意地悪く手のひらを差し出した

遥ちゃんの
でっかい手をガシっと握り、

睨みつけながら握手を交わした。


「絶対、余計なこと言わないでねっ!」


「仕方ねぇから、黙っててやるよ」


目を細めて爽やかに微笑む
遥ちゃん(仮)を前に、
がっくりとうなだれた。


くっ、屈辱……