「ふーん、わかった。

お前が俺の言うこと何でも聞くなら、

俺もお前の言うこと、聞いてやる」


「はるか様!」


「おっ、いい響き。

でもさ、お前も
『俺のいうことなんでも聞く』って
言ったこと、忘れんなよ?」


「はいっ、もちろんです!」


鈴之助の秘密を守ってくれるなら、
どんなことでも!


と答えたところで、

黒髪をサラリと揺らし
にっこりと爽やかに笑った遥ちゃんが
立ち上がり、

一歩、私に近づいた。


その漆黒の瞳が私の顔を覗き込み、
首をかしげたところで、

私のくちに
ふわりと綺麗な形の唇が、

重ねられた。



「?」


……へ?