「ひでえな」


と笑っている顔は
眩しいくらいに華やかだけれど、

瞳の温度は氷点下。

なにか裏がありそうで
ちょっとだけ、怖い。


「あのさ、俺、はるかだよ。
神楽坂(かぐらざか) 遥(はるか)」


「あー、はるかちゃん!」


と両手を打って、動きを止める。


ん?


はるか、ちゃん?


はるかちゃんは幼稚園のころに
大の仲良しだったお友達。


出会って
ほんの数か月で引っ越しちゃったけど、
瞳がすごく綺麗な可愛い子だった。


そうそう、
はるかちゃんにもらった
犬のぬいぐるみは今でも宝物で、

私が初めて仲良くなった友達だった。


でも。


「は、るか、ちゃん?」


「そう、それ」


んーーーーーーっ。


はるかちゃんは私の知る限り、
とっても優しくて
可愛い子だった、気がする。


品がよくて、
こんなに言葉遣いも悪くなかったし、

意地悪なことを言われたりも
しなかった。


なにより。


「……性転換、的な?」