「あのさ、この そ のドレス、ものすごく可愛いけど肩が露出しすぎてて、ちょっとむかついてた 。凛花の肌とか、見ていいのは俺だけだし」



すぐ目の前には遥先輩の甘い眼差し。



モデルをしているときの強い瞳もカッコいいけど、遥先輩のちょっとわがままで甘い瞳もすごく好き。



遥先輩の腕のなかから、廊下に高くつまれたブライダルフラワーを見上げて息をのむ。



「お花、すごいね……」



「花畑みたいだな」



「ん、圧巻」



撮影で使われたブーケやテーブルフラワーが壁一面を覆うように積み上げられている。



「大好きだよ、凛花」



「私も、大好き」



幸せ色に彩られたブライダルフラワーの影に隠れて、遥先輩とぎゅうっと抱きしめ合うと、そっと唇を重ねて 秘密のキスをした。



それはいつもより甘くて一瞬では終わらない大人のキスだった。



私も、もっともっと、遥先輩のこと大切にしたい。



遥先輩の気持ちに追いつけるくらいもっと、遥先輩のこと大事にしたい。