「え? 凛花の知り合いなの?」


驚くふたりに、
大きく首を横にふる。


「ううん、全くの赤の他人」


そもそも男子に
知り合いなんて、ひとりもいない。


女子の友達だって
限りなく少ない。


「それにしても、
そのカッコ、ぶっとんでんな」


くすくすと笑う
そのイケ散らかしてる先輩を
じっとみつめる。


黒い瞳を潤ませて、
男のくせに
花を背負っているかのような
艶やかな存在感。


うーん、やっぱり、
こんなひと知らない。


あ、もしかすると、
鈴之助の事務所関係のひと?


いやいや、だとしても、
私のことを知っているはずがない。


「あのさ、本当に覚えてないの?」


「はい、全く」


できれば
今後も知り合いになりたくない系の

非常に目立つタイプの先輩を、
じっと見つめる。