「凛花、遅刻する」



「あ、う、うん!」



遥先輩に引きずられるようにして教室に向かったけれど。



か、彼女……



そっか、彼女なんだ……。



ヒエラルキーの底辺にいる私には関係のないことだと思っていたから、彼氏とか、彼女とか、自分にそういうひとが出来るなんて、考えたこともなかったけれど。



遥先輩が、彼氏……なんだ。



どうしよう、すごく嬉しい。



でも、恥ずかしい……



あまりに幸せで、テンションが誤作動して、先生たちに頼まれるままに荷物運びや資料の準備を引き受けていたら、あっという間に一日が終わってしまった。