「だって、凛花、
好きでもないヤツに
キスなんて絶対にさせないだろ?

手つなぐことすら、
許さないだろうし」


「あ、うん、
……ま、そ、そう、かも」


「あの事件のときにも、

“万が一のことがあったら、
舌を噛み切ろうと思った”

って警官に言ったんだろ? 
警官、びびってたよ」


ま、まあ、それは本当のことだから、
なにも言えないけれど……


「俺のことを
受け入れてくれるってことは、

俺のことを好きな気持ちが、
凛花のなかにあるんだろうなって
信じてた」


受け入れるというか、
遥先輩の勢いがすごすぎて、

その荒波に
抗えなかったっていうのが
本当のところなんだけれど!

でも、

チラリと見上げれば
遥先輩の輝く笑顔に包まれて、

心臓がトクトクと
その鼓動を早める。