こんな溺愛、きいてない!

「ひさしぶり」


破壊力ばつぐんの整った顔立ちで
黒い髪をさらさらと揺らして

そのひとが微笑む。


漆黒の瞳を甘く潤ませて、
白い肌は透けるように綺麗。


うーん、

このひとも、
鈴之助みたいに
パックとか化粧水とか、

欠かさずに肌のお手入れしてるのかな?


視線を落として
上履きの色を確認してみてみると、

2年生。


ってことはひとつ年上だ。


すると、
女のひとのようなきれいな顔が
すぐ目の前に近づいて、

いきなり
毒々しい言葉を吐き出した。


「あのさ、お前、
こっちが挨拶してんのに、
さっきから、その態度、ひどくね?」