「連日、いろんな病院に連れまわされて、
カウンセリングにも通って、

挙句、ご乱心したうちの母親に、
怪しげなジュースとか薬とか飲まされて、

ついには、声すら、出なくなった。

喉から乾いた空気だけが、
スースー通りぬける、みたいな」


淡々と語り続ける遥先輩に、
ぎゅっと強く胸が痛んで

そっと遥先輩の手をにぎる。