「凛花、俺がはじめて話した言葉って
なんだと思う?」


ん?


「……ママ、とか?」


「まあ、うん、赤ん坊のころは、
そうかもな」


しばらく黙っていた遥先輩が

肌にふれる秋の風に、
気持ちよさそうに目を細める。



「りんか」



「え?」



りんか……って、私の名前?


でも、それがどうして?