こんな溺愛、きいてない!

「あのさ、聞いてんの?」


いや、全く。

ちょっと
それどころじゃないっていうか。


「つうか、聞けよ」


うっすらと瞼をあけて、
視界を確認。


だれだろ、このひと。


亜由と奈央の知り合い、かな?


ふたりに視線を動かすと

ふたりは
目を見開いたまま固まっている。


んん?


それにしても、
なんだか、派手な顔立ちのひとだ。


顔のパーツひとつひとつが
完璧なまでに整っている。


綺麗な二重の瞳も、
すっとした鼻筋も、
キメの細かい肌も完璧だ。


なにより、
こんなにキラキラと
目映いオーラをまとったひとが
うちの学校にいたなんて。


鈴之助の事務所につれて言ったら、
すぐにスカウトされそう。


これは、きっと、セレブの集う
花組のひとなんだろうな。


なんて、ひとりで納得していると。