お財布を持って、購買に向かいながら、
小さくため息。


ただの夢なのに、
こんなに気になるなんて。


でも、遥先輩に
親の決めた相手がいたとしても
全然不思議な話じゃない。

もし、
そんな人がいるのならば、

それはきっと、
私と比べようもないくらいに
素敵なひとに決まってる。


遥先輩と並んでいても
引けをとらないくらいに

すごく綺麗で、
頭が良くて美脚で色白で……


はあ。

と、深くため息をついて
動きを止める。


いったいそれは、誰のこと?


遥先輩の婚約者を妄想して
こんなに
悩んじゃうなんて……

ちょっと疲れすぎてるのかも。


旅行にでも行って
のんびりしたいな……


と、思わずつぶやいて、

遥先輩のパンフレットを思い出し
ぶんぶんと頭を横にふる。


遥先輩との旅行は
危険すぎるっ!


とにかく、なにか飲んで、
少し落ち着こう。