こんな溺愛、きいてない!

「ああああ、あの、
ふたりとも!

入学したころはお化粧してなかったのに、
その、な~にがきっかけで、
そんなにキラキラに?」


こんな下手くそな
話のそらし方ってある?

自分で自分に突っ込みたくなる。


でも、もう動揺を隠すのに
精一杯。


「私、キラキラなんてしてないよ?」


奈央が
キョトンとした顔を向ける。


「ううん、
ふたりとも、すごく綺麗になった。

女の子ってすごいなって、
毎朝ふたりを見るたびに思ってる。

ちょっと感動するくらい。

その、メイクだけじゃなくて、
表情もすごく華やかになったし!」


焦りすぎて、

ずっと心のなかで思っていたことが
怒涛のように口から
零れ落ちていく。


「ちょっ! もう、バカ、大好き凛花」


「マジ、それ、最高の告白だから」


「いや、これは本当に
ずっと思っていたことで!」


「だから嬉しいんだって」


しばらく三人で抱き合って、

ハッとしたように
亜由が顔を上げる。