警察からの帰り道、

気が付けば
遥先輩と手をつないで歩いていた。


「でも、どうして、
あそこにいるって分かったの?」


「校内にヤバイ教師がいるって、
チア部の奴らから聞いてて、

生徒会の奴らにも
念のため、声かけてた」


チア部?


「そしたら、今朝、
生徒会の奴が連絡くれて。

凛花から
生徒会のグループメッセージに、

“先生の最寄り駅に
もうすぐ到着します”って

メッセージが入ったって。

でも、生徒会の奴ら、
だれもその話を聞いてないって、
不審がってて」


そうだったんだ……

もし、あのとき、
メッセージを送らなかったら……


考えるだけで、背筋が凍る。


「それで、生徒会の奴から
あいつの住所聞き出して、

警察にも通報した。

凛花が監禁されてるかもしれないって。

万が一、間違えだったとしても、
俺が誤報の責任取ればいいと思った」


ぎゅっと、遥先輩が、
つなぐその手に力を込める。


どれだけ心配をかけたのか、

先輩の仕草の
ひとつひとつから伝わってきて、

申し訳なくて、
情けなくてたまらない。


あれだけ
遥先輩から注意されてたのに……