「こんなの、無事じゃねえだろ! 
手首、赤くなってるし、

……なにより、
凛花にこんなこと、しやがって!!」


声を荒げる遥先輩の声は、
怒りに震えていて……


だから、分かる。

遥先輩が、
どれだけ、心配してくれたのか。


「遥先輩が助けてくれたから、
もう、大丈夫だから」


「大丈夫じゃねえだろっ!

だめだろ、こんなの。
絶対ダメだろ!

言っただろ、気をつけろって!」


怒りながらも、
がくがくと震える遥先輩を、

今度は私がぎゅっと抱きしめた。


「心配かけて、
本当に、ごめんなさい……」


当たり前だけど、こんなにも、違う。


手のひらの感触も、
ホッとする体温も、全部。


遥先輩がいてくれて

……良かった。


どれだけ、
遥先輩に助けられてるんだろう……