「は、遥先輩……
こ、こ、こわかった……

き、気持ち悪かった~~!

こわ、怖かった、
怖かったーー!!」


遥先輩にしがみついて、
わんわんと泣いた。


「凛花、俺のことは、怖くないか?」


「うん、うん」


「触っても、大丈夫か?」


こくこくと、うなづきながら、

遥先輩の胸に顔をうずめて
子どものように泣きじゃくる。


ほ、本当に、
もうダメかと、思った……


小さな子をあやすように、

そっと私の背中をさすり
頭をなでる遥先輩の手に、

少しづつ
呼吸が落ち着きを
取り戻していくものの、

まだ全身の震えは収まらない。


すると、
無事であることを確かめるように、

遥先輩に痛いほど強く
抱きしめられた。


ドクドクと響く
先輩の鼓動の音に包まれて、

少しづつ震えが落ち着いてくる。


「ごめんな。

俺がもっと早く気づいてれば、

こんなことには、
……ならなかったのに」


声を揺らす遥先輩に、
必死に首を横にふる。


「ご、めんなさ、い。
ほんとうに、ごめんなさい。

遥先輩の言う通りだったの。

で、でも、無事、だったから」


ただ、ただ、
必死に遥先輩にしがみつく。


すると……