こんな溺愛、きいてない!

脱力して呆然と天井を眺めると、
馬乗りになった先生の顔が近づき

声にならない悲鳴を上げた。


「いいね、そそるね。もっと、声、出しなよ。
せっかく撮ってるんだから」


撮ってるって……?


先生の右手に握られたスマホを
絶望的な思いで見上げた。


「あはっ、泣いちゃった。最高だね」


怯えた視線の先には、
じりじりと顔を寄せる高山先生。


もう、逃げられないよ……


ごめんね、遥先輩。


ごめんね、鈴之助。


いつも、いつも守ってくれてたのに、
こんなことになって。