こんな溺愛、きいてない!

そう思って、
大きく息を吸ったその瞬間、


喉の奥がぎゅうっと締め付けられて
呼吸が詰まる。


あ……

息が、でき、ない……かも。


こんなときに、……

過、呼吸……?


く、くる、しい。


どうしよう。


喉元に手を添えたくても、
手は手錠で固定されていて、

力を入れれば入れるほど
手錠が手首に食い込んでくる。


苦しい……し

……痛、いし、

怖い……し。


絶望的な重みに支配されて

あまりの苦しさに
目をうっすら開けたところで、

すぐ目の前に
口の端を上げて笑う

高山先生の顔があった。


狂ってる……


その瞳に映る狂気に、

抗う気力を奪われた。



もう、無理だ……