こんな溺愛、きいてない!

先生の重みがかかって
ベッドが軋み、

覆いかぶさる気配を感じて、
一層強く目をつぶる。


蹴飛ばしてやれ、とも思うけど、
そのあとの報復を考えたら

怖くてそんなこと、
とても出来ない。


だって、誰がどう見たって
圧倒的に不利な体勢。


両手を束縛されていて、
力で敵うはずがない。


吐息なのか鼻息なのか、

気味の悪い呼吸音が
間近に迫り、

息を止めて、
ぎゅうっっと更に強く目をつぶる。


と、とにかく気持ち悪いっ!


でも、そんなこと、
言ってられない。


うっすらと目を開けると、

ベッドサイドにある天窓が
数センチほど開いている。


大きな声を出したら、

前の通りを歩くひとに
気が付いてもらえるかもしれない!