「うちの親さ、今、海外旅行中で
あと3日間、帰ってこないんだよね。

だからさ、ゆっくりしてきなよ」


目を見開いて硬直していると、

眼鏡と髪ゴムが奪われて、

ぱさりと、長い髪が揺れる。


うっとりとした目つきで
近づいてきた高山先生に

髪を撫でられ、
ほっぺたを触られて、

ぞっとする。


き、き、気持ち悪いっ!


「本当に、綺麗だよ。美少女ちゃん」


こ、この人、おかしい……

狂ってる。


こ、こんな人が教師だったなんて、


ちょっとでも
優しいなんて思った自分、処刑!


……遥先輩が言ってたことは、
間違ってなかったんだ。


胡散臭いなんてもんじゃない、
このひと、犯罪者だよっ!


ぞおおっと粟立つ鳥肌に
ぎゅっと唇をかみしめる。