会計業務で必要だとは
到底思えないし、

どう考えても、

普通の家にそんなものが
常備されてるはずがない。


ふと視線を動かせば
体操服姿の私の写真に凍り付く。


すると、

私の視線を追った高山先生が
口角をいやらしく上げて
微笑みかける。


こ、こんな笑い方する人だったなんて！


「ああ、ほら、うちの学校、
水泳の授業がないから。

仕方ないから
体操服で我慢、みたいな？

残念だよね？」


顔つきが
いつもと、全然、違う……


こっちが、本性だとすると……

これは、本格的に、マズイ。


ぎゅっと唇をかんで
じりじりと、後ずさる。

逃げ、ないと。


「そんなに怖がらないで」


近寄る高山先生を振り払い、
扉へと向かったものの。


逃げる間もなく、

気味の悪い笑顔とともに

つかまれた手首に、手錠がはめられた。


「う、そ、でしょう？」


だって、先生なのに……！


手首を締め上げる冷たい金属の感覚に、

背筋が凍り付く。